概要
2013年にB75チップセット、Windows7、REAL VNCで遠隔操作、と長年使用してきた
録画PCさんだったが、ミドルタワーケースで場所を取ることやファイル転送速度がもっと
欲しいということで故障してあたふたする前にリプレイスを決行。
ちょっと前に検討した時はWindows10付属WMPのDLNA機能がなくなっているという
ことだったので躊躇していたが、いつの間にか機能が復活していた。
DLNAとは録画PCに必須の機能であり、録画したものを家庭内ネットワークに配信するものだ。
私は未だに最高のメディアプレイヤーと言えるPS3で視聴している。
要件
・なるべく小型であること
・内蔵LANが2.5GbE以上であること(できればINTELチップ以外)
・PT3(PCIEx1チューナーボード、ロープロ可)が2枚入ること
以上。
選定したパーツ
・マザーボード
→ASUS TUF GAMING B560M-PLUS
・CPU
→Intel Core i3 10100T(バルク)
・CPUファン
→AINEX CC-01
・PCケース
→INWIN IW-CJ712B/265B
その他に家に転がっていたM.2 SSD 512GBと、ファイル保存用の
2TB SATA SSD、DDR4 8GBx2、リモートデスクトップを使用するための
Windows7 Pro(これはライセンスをアップグレードしWindows10にする)
を用意した。
なお、録画PCにはセットアップ時以外キーボード類なし、映像出力は行わない。
組み立て
マザーボード全景。注意点として11世代CPUではない場合、写真のM.2ヒートシンク
(もちろん移設可)が取り付けられている側のスロットは使用できない。
下側の一基のみ使用できる。
付属品。ステッカーはまぁ使わないけどケースに貼りたい人もいるかもしれない。
黒い四角いのはM.2 SSDがヒートシンクによってたわまないようにする高さ合わせゴム。
M.2 SSDのチップが片面にしかない場合に使う(おそらく)。
バックプレートはマザーボードにくっついているタイプ。良き。
M.2 SSD先端を固定するクリップは回すだけで機能する。ねじいらずで素晴らしい。
売っている時を逃すとほぼ再販がないバルクのTシリーズ。購入先は安定のPCワンズさん。
マザボは11世代だがこれは10世代。コスパで選んだ。
11世代でないと前述のM.2が一基のみ使用可、PCIE4.0が使えない。
別段11世代を使う必要はない。特に目的が決まっている今回のような場合は。
CPUがバルク品でクーラーなしなので、AINEXの安クーラー(1,500円程度)を
一緒に購入した。期待していなかったが思ったより品質が良い。銅芯だ。
このシールは必ず剥がそう。断熱されちゃうよ。
バックプレートはそのままペタッと貼るタイプ。
メモリまでかなりカツカツ。ヒートシンクなしメモリなら余裕だと思う。
端っこが光る。光りモノは好きだが今回は用途的にいらない。BIOSで消せる。
INWIN IW-CJ712B/265Bはちっさい。大きさはPS4を2台重ねたくらい。
Micro ATXまで、265W電源付き。
何か某アマゾンレビューにマザボごと燃えたとかあったので念のため電源テスターを使用した。
さすがに発売初期ならいざ知らず大丈夫でしょう。
電源は80ブロンズ。出力が小さいので、グレードは気にしなくていいと思う。
某アマゾンレビューだと電源ケーブルが短いとあったがマザボ裏を通せばちょうど良い。
整いまして完成。スリムドライブベイがあるので、MB511SPO-1Bという
2.5インチストレージをカセットみたいにガチャポンできるDOCKを付けてもいいかも。
(2022年9月4日追記)
今までスリムドライブベイ12.7mm用の「MB511SPO-B」を記載していました。
本記事のPCケース「INWIN IW-CJ712B/265B」のスリムドライブベイは9.5mm用が
適合することが判明しましたので、DOCKの型番及びリンクを訂正しました。
(追記ここまで)
トラブル
前提として、録画ソフトは「TVTest」と「TVRock」と「TVRockOnTVTest」を使用。
それ以外はできれば入れない。
・カードリーダー「SCR3310」(古い)がTVTestで認識されない
→BIOSのCSM有効で認識される。ただしマザボ「ASUS TUF GAMING B560M-PLUS」においては
グラフィックボードを刺さないと有効にできない。外すと勝手に無効になる。
BIOSアップデートでなんとかならんか…。現状5,000円程度のショボいグラボを付けている。
外したい。
・TVTestでPT3のチューナー初期化失敗する。
→BIOSで「Above 4G Decoding」を無効にして解決。
調べていないが、有効のままでもPT3初期ドライバであれば大丈夫らしい…。
・スリープモードが頻繁に解除される。
→これは前回の録画PCからの教訓で、LANの機能の「AFPオフロード」を無効にする。
最初に設定してしまったので今回の環境で起こる問題かは未検証。
・録画フォルダがSSDなのにめちゃんこ遅い。
→録画フォルダの「プロパティ」「カスタマイズ」「フォルダーの種類」が「ビデオ」に
なっていた。「全般」に変更し解決。
・リモートデスクトップで接続すると、画面サイズが異なるからなのかアイコン位置が乱れる。
→フルHDのダミープラグを刺すことにより解決。
・キーボードを外すとBIOS途中で入力待ちで進まない。
→キーボードはセットアップ時のみ使用するので、BIOSで「Wait For ‘F1’ If Error」を
無効にして解決。
・録画が週一で午前零時から1分30秒程度遅れて開始される。
→録画が遅れた時刻のWindowsログを見たところWindowsTimeSync(時刻同期)が動作していた。
つまりスリープ多用しているためPC時刻が徐々にずれているようだ。
WindowsTimeSyncの設定で回避したかったが、同期タイミングがうまく制御できず無効にし、断念。
無線愛好家御用達?のBktTimeSyncをインストール。
なおNTPサーバはNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)を使わせてもらう。税金払ってるし。
また、30分に一度同期するようにした。
(2022年9月4日追記)
録画が遅延する問題は致命的で上記でも解決に至らなかった。
しかし、いくつかのブログで似た事象について記事にしている方を発見。
・Intel 300シリーズチップセット以降のスリープ解除遅延問題
・PCを新調したらマルチディスプレイでカクつき問題とスリープ解除数分遅延でハマった話 (2)
コレじゃん!!!上の方で週1午前零時で録画が遅れると書いたが、
よくよく考えると録画を見るためにPCを一度もスリープ解除しなかった日に遅れていたように思う。
あと、23時開始が遅れていたり午前零時に限らないこともわかっている。
つまり15時間以上スリープした後に録画予約があった場合にスリープ復帰が
遅延し録画開始も遅れていたようだ。
Windowsログを見ると、例えば23時55分にスリープ復帰するはずが最大で7分も遅れている。
※TVRockで録画5分前にスリープ復帰(待機時間5分)するようにしている。
そしてWindowsログによるとスリープ復帰のトリガーは「ACPI Wake Alarm」になっていた。
どうもASUSのINTEL500番台チップセット(H510/B560/H570/Z590)以降M/Bで
ACPI Wake Alarm に不具合がある模様。上のお二方もASUS製を使用されている。
(当方のM/B:ASUS TUF GAMING B560M-PLUS)
それ以前のチップセットも同様かもしれないが、ACPI Wake Alarmを無効にして
RTCを使用できたりする模様。
ASUS以外のM/Bでは一切この手の記事が見つけられなかったので録画PCや
スリープ解除してタスクスケジューラを使うような用途でこれから部材を調達する場合、
ASUS以外のM/Bがいいかもしれない。
暫定処置として現在は3~4分スリープ解除遅延する8時間に一度、
スリープ復帰するためにコマンドプロンプトを立ち上げて閉じるという
しょうもないタスクスケジューラを組んでいる。
これで録画5分前にスリープ復帰される設定なので、遅延は吸収できるはずだ。
根本的解決でないのが業腹だが…
古のP2B-Fから信用していたのに、ASUS君、きみには失望したよ。
(追記ここまで)
・手動録画をしようとしたら年指定タブが2019年までしかなく録画予約時間の指定ができない。
→TVRrock 2020年問題なるものがあり、バイナリエディタでプログラムを修正。
・その他念のため変更した設定
→電源プラン内ハイブリッドスリープを無効に変更。
→電源プラン内ハードディスクの電源を切る(20分)をなしに変更。
■未解決の事象
メンテ中等でリモートデスクトップ接続中、TVTestのコマンドラインオプションの「/mute」(消音)が
効かず録画開始された番組の音声が出てしまう。もちろん、都度Windowsでのミュートは可能だが…。
まとめ
かなり小型の筐体になり安定性、速度も満足のいくものとなった。
グラフィックボードが必要な点を除いて
ASUSさん、頼むからCSMはグラボなしでも自由に設定できるように
してくだしあ。
あと11世代のCPU以外でもM.2は制限なしにしてくれ。
MSIとか制限ないものもあるようだ。
重要なのがACPI Wake Alarmのバグ(?)を直して。マジで。
では今回はこの辺で。