![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/PT3_title-1024x768.jpg)
概要
2013年にB75チップセット、Windows7、REAL VNCで遠隔操作、と長年使用してきた
録画PCさんだったが、ミドルタワーケースで場所を取ることやファイル転送速度がもっと
欲しいということで故障してあたふたする前にリプレイスを決行。
ちょっと前に検討した時はWindows10付属WMPのDLNA機能がなくなっているという
ことだったので躊躇していたが、いつの間にか機能が復活していた。
DLNAとは録画PCに必須の機能であり、録画したものを家庭内ネットワークに配信するものだ。
私は未だに最高のメディアプレイヤーと言えるPS3で視聴している。
要件
・なるべく小型であること
・内蔵LANが2.5GbE以上であること(できればINTELチップ以外)
・PT3(PCIEx1チューナーボード、ロープロ可)が2枚入ること
以上。
選定したパーツ
・マザーボード
→ASUS TUF GAMING B560M-PLUS
・CPU
→Intel Core i3 10100T(バルク)
・CPUファン
→AINEX CC-01
・PCケース
→INWIN IW-CJ712B/265B
その他に家に転がっていたM.2 SSD 512GBと、ファイル保存用の
2TB SATA SSD、DDR4 8GBx2、リモートデスクトップを使用するための
Windows7 Pro(これはライセンスをアップグレードしWindows10にする)
を用意した。
なお、録画PCにはセットアップ時以外キーボード類なし、映像出力は行わない。
組み立て
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_01-1024x768.jpg)
マザーボード全景。注意点として11世代CPUではない場合、写真のM.2ヒートシンク
(もちろん移設可)が取り付けられている側のスロットは使用できない。
下側の一基のみ使用できる。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_02-1024x768.jpg)
付属品。ステッカーはまぁ使わないけどケースに貼りたい人もいるかもしれない。
黒い四角いのはM.2 SSDがヒートシンクによってたわまないようにする高さ合わせゴム。
M.2 SSDのチップが片面にしかない場合に使う(おそらく)。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_03-1024x768.jpg)
バックプレートはマザーボードにくっついているタイプ。良き。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_08-1024x768.jpg)
M.2 SSD先端を固定するクリップは回すだけで機能する。ねじいらずで素晴らしい。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_11-1024x768.jpg)
売っている時を逃すとほぼ再販がないバルクのTシリーズ。購入先は安定のPCワンズさん。
マザボは11世代だがこれは10世代。コスパで選んだ。
11世代でないと前述のM.2が一基のみ使用可、PCIE4.0が使えない。
別段11世代を使う必要はない。特に目的が決まっている今回のような場合は。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_17-1024x768.jpg)
CPUがバルク品でクーラーなしなので、AINEXの安クーラー(1,500円程度)を
一緒に購入した。期待していなかったが思ったより品質が良い。銅芯だ。
このシールは必ず剥がそう。断熱されちゃうよ。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_16-1024x768.jpg)
バックプレートはそのままペタッと貼るタイプ。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_26-1024x768.jpg)
メモリまでかなりカツカツ。ヒートシンクなしメモリなら余裕だと思う。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_29-1024x768.jpg)
端っこが光る。光りモノは好きだが今回は用途的にいらない。BIOSで消せる。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_36-1024x768.jpg)
INWIN IW-CJ712B/265Bはちっさい。大きさはPS4を2台重ねたくらい。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_38-1024x768.jpg)
Micro ATXまで、265W電源付き。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_43-1024x768.jpg)
何か某アマゾンレビューにマザボごと燃えたとかあったので念のため電源テスターを使用した。
さすがに発売初期ならいざ知らず大丈夫でしょう。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_40-1024x768.jpg)
電源は80ブロンズ。出力が小さいので、グレードは気にしなくていいと思う。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_49-1024x768.jpg)
某アマゾンレビューだと電源ケーブルが短いとあったがマザボ裏を通せばちょうど良い。
![](https://sas-cross.com/wp-content/uploads/2021/11/TV-ROCK_51-1024x768.jpg)
整いまして完成。スリムドライブベイがあるので、MB511SPO-1Bという
2.5インチストレージをカセットみたいにガチャポンできるDOCKを付けてもいいかも。
(2022年9月4日追記)
今までスリムドライブベイ12.7mm用の「MB511SPO-B」を記載していました。
本記事のPCケース「INWIN IW-CJ712B/265B」のスリムドライブベイは9.5mm用が
適合することが判明しましたので、DOCKの型番及びリンクを訂正しました。
(追記ここまで)
トラブル
前提として、録画ソフトは「TVTest」と「TVRock」と「TVRockOnTVTest」を使用。
それ以外はできれば入れない。
・カードリーダー「SCR3310」(古い)がTVTestで認識されない
→BIOSのCSM有効で認識される。ただしマザボ「ASUS TUF GAMING B560M-PLUS」においては
グラフィックボードを刺さないと有効にできない。外すと勝手に無効になる。
BIOSアップデートでなんとかならんか…。現状5,000円程度のショボいグラボを付けている。
外したい。
・TVTestでPT3のチューナー初期化失敗する。
→BIOSで「Above 4G Decoding」を無効にして解決。
調べていないが、有効のままでもPT3初期ドライバであれば大丈夫らしい…。
・スリープモードが頻繁に解除される。
→これは前回の録画PCからの教訓で、LANの機能の「AFPオフロード」を無効にする。
最初に設定してしまったので今回の環境で起こる問題かは未検証。
・録画フォルダがSSDなのにめちゃんこ遅い。
→録画フォルダの「プロパティ」「カスタマイズ」「フォルダーの種類」が「ビデオ」に
なっていた。「全般」に変更し解決。
・リモートデスクトップで接続すると、画面サイズが異なるからなのかアイコン位置が乱れる。
→フルHDのダミープラグを刺すことにより解決。
・キーボードを外すとBIOS途中で入力待ちで進まない。
→キーボードはセットアップ時のみ使用するので、BIOSで「Wait For ‘F1’ If Error」を
無効にして解決。
・録画が週一で午前零時から1分30秒程度遅れて開始される。
→録画が遅れた時刻のWindowsログを見たところWindowsTimeSync(時刻同期)が動作していた。
つまりスリープ多用しているためPC時刻が徐々にずれているようだ。
WindowsTimeSyncの設定で回避したかったが、同期タイミングがうまく制御できず無効にし、断念。
無線愛好家御用達?のBktTimeSyncをインストール。
なおNTPサーバはNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)を使わせてもらう。税金払ってるし。
また、30分に一度同期するようにした。
(2022年9月4日追記)
録画が遅延する問題は致命的で上記でも解決に至らなかった。
しかし、いくつかのブログで似た事象について記事にしている方を発見。
・Intel 300シリーズチップセット以降のスリープ解除遅延問題
・PCを新調したらマルチディスプレイでカクつき問題とスリープ解除数分遅延でハマった話 (2)
コレじゃん!!!上の方で週1午前零時で録画が遅れると書いたが、
よくよく考えると録画を見るためにPCを一度もスリープ解除しなかった日に遅れていたように思う。
あと、23時開始が遅れていたり午前零時に限らないこともわかっている。
つまり15時間以上スリープした後に録画予約があった場合にスリープ復帰が
遅延し録画開始も遅れていたようだ。
Windowsログを見ると、例えば23時55分にスリープ復帰するはずが最大で7分も遅れている。
※TVRockで録画5分前にスリープ復帰(待機時間5分)するようにしている。
そしてWindowsログによるとスリープ復帰のトリガーは「ACPI Wake Alarm」になっていた。
どうもASUSのINTEL500番台チップセット(H510/B560/H570/Z590)以降M/Bで
ACPI Wake Alarm に不具合がある模様。上のお二方もASUS製を使用されている。
(当方のM/B:ASUS TUF GAMING B560M-PLUS)
それ以前のチップセットも同様かもしれないが、ACPI Wake Alarmを無効にして
RTCを使用できたりする模様。
ASUS以外のM/Bでは一切この手の記事が見つけられなかったので録画PCや
スリープ解除してタスクスケジューラを使うような用途でこれから部材を調達する場合、
ASUS以外のM/Bがいいかもしれない。
暫定処置として現在は3~4分スリープ解除遅延する8時間に一度、
スリープ復帰するためにコマンドプロンプトを立ち上げて閉じるという
しょうもないタスクスケジューラを組んでいる。
これで録画5分前にスリープ復帰される設定なので、遅延は吸収できるはずだ。
根本的解決でないのが業腹だが…
古のP2B-Fから信用していたのに、ASUS君、きみには失望したよ。
(追記ここまで)
・手動録画をしようとしたら年指定タブが2019年までしかなく録画予約時間の指定ができない。
→TVRrock 2020年問題なるものがあり、バイナリエディタでプログラムを修正。
・その他念のため変更した設定
→電源プラン内ハイブリッドスリープを無効に変更。
→電源プラン内ハードディスクの電源を切る(20分)をなしに変更。
■未解決の事象
メンテ中等でリモートデスクトップ接続中、TVTestのコマンドラインオプションの「/mute」(消音)が
効かず録画開始された番組の音声が出てしまう。もちろん、都度Windowsでのミュートは可能だが…。
まとめ
かなり小型の筐体になり安定性、速度も満足のいくものとなった。
グラフィックボードが必要な点を除いて
ASUSさん、頼むからCSMはグラボなしでも自由に設定できるように
してくだしあ。
あと11世代のCPU以外でもM.2は制限なしにしてくれ。
MSIとか制限ないものもあるようだ。
重要なのがACPI Wake Alarmのバグ(?)を直して。マジで。
では今回はこの辺で。